2月24日,25日に社会福祉法人清水基金の国内研修を受講させていただきました。
これは障がい理解、権利擁護などを学んで現場での支援力向上を目指すことを目的とした研修で、障がい福祉サービス等に従事する中堅職員(概ね40歳程度の年齢制限があり、わたしはギリギリセーフでした☺)を対象としており、全国各地から多数の希望者がオンラインで受講しました。
とても充実した内容の2日間でありましたが、そのなかから個別支援計画について少しご紹介いたします。
わたしたちは普段利用者の皆さんの支援に当たる際に、「個別支援計画書」を作成します。個別支援計画とは、『ひとりひとりの特性や置かれている環境等の評価を通じて利用者の希望する生活や課題等を把握し、利用者が自立した日常生活を営むことができるように適切な支援内容の検討すること』ですが、これがとっても難しく、いつも悩み、迷い、気づいたら、あの利用者さんの計画もこの利用者さんの計画も同じようなものになってしまった…とやり直しをすることも多いのです。
みなさんがもし個別支援計画を立ててもらうことがあるとすれば、どういう計画がいいですか?
私は動物が大好きで、犬(柴犬)と生涯過ごしたいと思っています。また、あまり身体によくないとわかっていてもやっぱり好きなものを好きなように食べたいです。
できないことや、一般的には大切かもしれないけれど私が望んでいないことに焦点を当てるのではなく、できることや得意なこと、自分の願いを知ってもらって、計画を立ててほしいなと思います。みなさんも同じではないでしょうか。
今回の研修では、2日間を通して、改めてこの計画や計画を作成する過程がご本人にとって非常に大切なものであることに気づかされました。支援者という立場では、できないことや困っていることを解決することに意識が傾きがちですが、支援者みんなで本人の好きなことや強みについて情報共有して、より豊かな瞬間をひとつひとつ積み重ねられるような計画づくり、講師の先生のお言葉をお借りすれば「ワクワクする」具体的な計画づくりを目指していかなければならないと思います。もし私の個別支援計画を作ってもらったときに「犬と一緒」というキーワードがあれば、心からワクワクするし、「健康のために好きな食べ物を我慢しましょう」と書かれていると、心からがっかりするでしょう。また「犬と一緒」だけでなく、「柴犬と一緒」と具体的であれば、ワクワク感はもっと増すし、支援者への信頼度も上がると思います。
コロナ禍で生活様式も一変したくすのき園ですが、利用者の皆さんは明るく前向きで、職員の方が励まされることもたくさんあります。ぜひワクワクする個別支援計画をたくさん作って、共に楽しみ、共に苦労し、共に行動していきたいと思っています。
その他、事業所の運営や就労支援、地域のネットワーク作りなど幅広い内容の研修を受け、ありがたい学びの時間となりました。チームで共有し、くすのき園、わかば会の利用者の皆さんに還元していきます。
(くすき園:石井 有希子)