コロナ渦の一年。
いつもとは違う年末。
看護の名言に「当たり前の幸せ」という言葉があります。
人は当たり前のことが当たり前じゃなくなり、はじめて「当たり前の幸せ」に気づかされるという言葉で、今年はいろいろな意味で「当たり前」が幸せだと思い知らされた年でした。
英語でも、
“If there were no clouds, we should not enjoy the sun.”
という言葉があり、
直訳すると、
“雲がなければ、太陽の喜びはない”
となりますが、
《いつもそこにある「当たり前」の有難さには気付きにくい。》
《日常にありふれた何の変哲もないことに、感謝する人は少ない。》
《目の前から消えて初めて、その真価に気付いても遅い。》
という深い意味をもつ、世界の名言でもあります。
名言といえば、
「ついた餅より心持ち」
という言葉があります。
意味は、
《人にお餅をごちそうしてもらうことはありがたいですが、それ以上に心づくしがありがたいということ。》
モノ(物)よりも人の気持ち(心)がありがたいという、日本の美しい心をあらわしています。
法人内の各事業所もコロナの影響により、行事や研修等の年度計画を変更し対応した一年でした。
利用者にとって、いつもとは違う夏の行事、秋祭りの中止、そして忘年会。
でも、
「ついた餅より心持ち」
という言葉が様々な形として、法人内のあちらこちらで見えたような一年でもありました。
職員はコロナ渦において、日々忙しい業務の中でも、
「どうやったら利用者に喜んでもらえるか?」
と、常に利用者の満足度を追求し、工夫しながら様々な企画や代替行事を開催した一年でした。
分散化した夏祭り、室内絵画展、文化発表会、少人数での忘年会。
コロナ対策で工夫し開催したカラオケ。
当たり前が出来なくても、人(職員)の気持ち(利用者への心づくし)がある限り、利用者の満足度は変わらないと思えたような気がしましたし、利用者の笑顔がそれを映し出しているように感じました。
今年は、法人外部の方からも厳しいご意見をいただいた一年でした。
新規開設した事業所の利用定員の拡充、そして職員の確保にも苦労しました。
「未熟な組織には原点がある。教えられることが多い。」
という、僕が尊敬する野村監督の名言があります。
わかば会は、完成された法人からすれば未熟な点やご指摘を受けるような事が多いのですが、野村監督の言葉にあるように、原点はしっかりと全職員に浸透しているように思えます。
他から見れば不器用で未熟な組織(法人)ですが、職員は利用者の笑顔(満足度)のために邁進し、年末の今日現在も様々な形態で業務に就いています。
当たり前の職員集団。
この職員集団と一緒に業務ができる「喜び・幸せ」を感じながら、来年もこの当たり前を「感謝」できる思考、そして怒りや悲しみを許すことができる人としての器を持ちたいと思いました。
(白木)