『 友だち幻想 人と人との<つながり>を考える 』 菅野仁 ちくまプリマ―新書
「友だちは何よりも大切。でも、なぜこんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。人と人との距離感覚をみがいて、上手に<つながり>を築いていけるようになるための本。」:カバー帯文書より
愛媛県内でのコロナ第4波は少しずつおさまってはきていますが、人の生活を支えるという仕事をしている立場として、まだまだ緊張感を継続させていかないといけません。
今日はお勧めの本『 友だち幻想 人と人との<つながり>を考える 』について紹介します。
半年ほど前に読んで感銘を受けたので、まとめて購入して読書好きな友人にはお勧めしていました。
6月以降で「福祉の仕事」や「障がいについて」学生や子供たちに対して、お話しをする機会を頂いたので、今その資料作りをしています。
そして、社会人(大人)になる前の学生やこどもたちに向けた話の中でこの本の中に書かれていることを引用させてもらおうと思っています。その理由は障がいについて考える時も、福祉について考える時も、仕事や社会人について考える時も、そのベースは「人と人」というところにあるからです。
この本は社会学に関する本ですが、この本の中では
・自分が出来ることには限界がある → 他人への嫉妬にとらわれ過ぎない
・人とのつながりにも限界がある → 上手くやりすごす
という当たり前のこととその対処法がわかりやすく書かれています。
そして「みんな仲良く・人にはみんな無限の可能性がある・夢は必ずかなう・人とのきずなを大切にしよう・みんなで協力して物事を成し遂げよう」という学校や家庭や社会で当たり前に大人が子供に教えていることが幻想であるということを教えてくれます。
というと、非常にネガティブな内容と思われるかもしれませんが、決してそうではありません。
ネガティブなもの(現実)を受け入れてポジティブ(前向き)に生きていきましょうという内容です。
大人になっていく子供たちに、子育てをしている大人に、人間関係に悩んでいる大人に、あらゆる人にお勧めしたい本です。そして、私自身もこのようなことに関してくよくよと悩む子ども(若者)だったので、かつての自分にも読んでもらいたいし、これからも人間関係で悩んだ時には何度も読み返したいと思える本です。
(研修センター:井川 卓)